2016/06/25
そろそろ最低気温も一桁になり、山は雪で白くなり始めた。
今日は雪虫を見たと言っている人がいた。
本格的な冬がもうすぐやってくる。
ノナも終わりを告げ、残すところはアワビ漁。
10日から始まる予定だけれど、いつも通りのお天気次第、海次第。
去年は一度しかできなかった。
今年はどうなることやら、だ。
昨日、今日と親戚の葬儀だったのだけど、人が集まれば昆布の話題。
もういっそのこと、せめて島内では貨幣と同じにすればいいのに。
イタリアの銀行ではチーズを担保にお金が借りられるらしいが、島でもそんなシステムがあってもおかしくはない。
昆布を担保にお金を借りられれば、安い年に焦って売る人も減るだろう。
流通が業者次第、という風潮に風穴をあけるには画期的なシステムだと思うのだけどなあ。
完全に室温管理した倉庫で眠らせれば、蔵囲昆布のように価値を上げることが可能なのだ。
3年でも寝かせた昆布なら、木箱に詰めて赤い印を押しただけで、値段は何倍になるものやら。
こんなことを考えるのは、私がよそ者だからなのかもしれない。
昆布のある生活が当たり前だった人には想像も出来ない世界だ。
しかし、海の事情も変わってきている現在、ただ単に作って売る、だけを考えていたら、昆布漁師に未来はない。
国が助けてくれるなどと期待もしてはいけない。
自分たちの昆布の価値を上げられるのは、生産者である漁師であると私は考える。
実際、こんな高級品を扱っていながら、いかに心を込めて作るか、などと考えている漁師はほとんどいない。
私にはそこが、いまだに理解できないのだ。
『買う気で作れ売る昆布』などと言っていたら作業ができない、と言う人がほとんどだ。
もったいないなあ・・・
まさに隗より始めよ、なのか?
天は私にこのシステムを確立しろと言っているのか?
なんて考える寒い夜。