続・隗より始めよ

利尻島より発信中

3回目の結婚記念日に

time 2014/09/09

一週間前の値段が嘘のように、今日もまた、昨日をはるかに超える値がついたノナ。
しかも今日は大漁の人が続出。
誰それが大漁!という噂はすぐに島中を駆け巡る。

私たちが神とあがむ漁師、通称『かっち』は、軽トラの荷台満載分のノナを剥くのに夕方までかかって20㎏以上を出荷。
それでも剥ききれず、最後は面倒くさくなり、後はウニ丼にして食べちまえ!なんて事態になったらしい。
そんなかっちの今日一日の稼ぎは、島の土方の一ヶ月分の給料をはるかにしのぐ。

なんとまあ、本当にカッコイイ!!
悔しいけれどあっぱれだ。
うちでもそこまでではないにしても、そこそこの大漁となった。
一応結婚記念日だったので、夫も頑張ってきたようだ。
値段が良かったことが幸いして、今年一番の売り上げを記録した。
上には上がいるし、下には下がいる。

どうせやるなら、どんな世界でも上を目指す方が楽しいに決まっていると私は思う。
夫も結婚以来、だんだんと目線が変わってきて、以前にはあまりみられなかった闘争心も湧いてきているようだ。
どれだけ獲るかは、最後は『気』の世界。
獲れない漁師に限って『運が悪かった、場所が悪かった』と言い訳ばかりがうまくなり、やる気はどんどん失せていく。

ウニはいるのだ、どこかに必ず。
実際に大漁の人がいるのだ。
その気がなければ幸運をつかむこともできない、要はそういうこと。

棚からぼた餅だって、棚の下までは自分で行かねば拾えないのだから。
以前、かっちに『ウニはどういうところにいるの?』と訊いたことがある。
そしたら何も考えることなくこう答えが返ってきた。
『俺が行くところには必ずいる』と。

心からそうとしか思えない状態になったとき、本当に神が降臨するのだと思った瞬間だった。
理屈ではない、感性の世界。
達人の言葉には、何も言い返せない説得力があるよね。

結婚して丸3年が過ぎた。
少しずつ変化してきている夫は、これからどんな漁師に育っていくのだろうか?
願わくば、かっちのように神の域にまで達することで、生きがいを感じてもらえたら、と思う。
中学出てすぐ漁師になって、早くも30年。
これだけ続けてきたひとつのことを、自分が納得できる次元にまで高めてもらえたら、妻としては最高の喜びだ。

私の一番の喜びは、自分の男が大成すること。
これは農耕民族のように、育てる喜びだ。
だが、漁師の夫は狩猟民族。
どんなに理屈をこねくり回しても、獲ってこなければ、話にならない。
人より多く獲ることで、男に生まれた喜びを感じ、楽しい人生を送ってもらえますようにと祈りつつ。
『またこんなに獲ってきて!むくのに何時までかかると思ってんのよ!!』
いつかそんな文句を言わせてもらえたら、何よりの幸福だ(笑)

お知らせ

現在、メインブログ「利尻なう」にて更新中です!
スクリーンショット 2016-06-29 0.32.03

カテゴリー

過去記事一覧

2017年11月
« 6月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930