2016/06/25
図書館で調達した、百田尚樹氏の『夢を売る男』を読んだ。
現代の出版業界のお話なんだけど、これがまたおもしろくて。
表現したい人がいっぱいなのに、読む人は少ない。
そんな社会の現実が浮き彫りになっていく課程を楽しく読んだ。
以前、本を出そうと思って某出版社の出版説明会にいったことがあったが、その時の経験と見事にシンクロして笑えた。
やたらと褒め称えてくれるのだけど、結局は自費出版をすすめられ、あの時すぐにカラクリがわかった。
今こうしてブログを書いていることも、すごく理論的に説明された気がした。
私もまた、自己顕示欲の塊なんだね(笑)
そりゃそうだ、誰かに認められたい、という気持ちは強いと思う。
でもそれ以上に、書くことが自分にとって癒やしであり、頭をまとめる手助けにもなっている。
私の中では、あくまでも自分と向き合う作業だと思っていたけれど、もし本書にあるように、『ブログ一本釣り』で出版など進められたら舞い上がっていたかもしれない、と思って笑ってしまった。
入院中に、直木賞、芥川賞作品を読んで『なんでこんなつまらないものが賞とるの?』と思った疑問も解決した。
相変わらず百田氏の切り口はおもしろい。
そして、なぜか私の経験と微妙にシンクロするのが不思議だ。
しかし私自身が本好きなため、活字離れってあまり実感がなかったけれど、現代社会は本当にそうなんだなあ。
島はその縮図だ。
こんなにヒマがあるのに、テレビは観ても本は読まない人がほとんど。
暇つぶしに何か読むものなら、ネット上にも無料で読めるものが溢れている訳だし、当然と言えば当然。
定価で本を買うなんて、今はかなりの少数派なのだろう。
実際、買って損した、と思うくだらない本が増えている理由も、本書を読んで納得してしまった。
おもしろかったよ〜☆