続・隗より始めよ

利尻島より発信中

神の声

time 2014/02/28

ここが都会だったら・・・気晴らしをする手段も多々ある。
街に繰り出せばそれだけで気が紛れる。
映画のようにドレスの衝動買いをすることだってできるし、一晩くらい友人の家に泊まらせてもらうこともできる。

だけど私が選んだこの島には、そんなものは存在しない。
自然と戯れれば良い、ということも考えたけど、冬山になど入れば自殺モードに突入だ。
雪は、人間を孤独にもさせる。

結局、昨日は何もする気になれなかった。
薪ストーブに火をくべながら、何時間でもソファに座っていた。
お昼にいったん夫が帰った時に少し話しをしたけれど、予想通りの黙秘。
正確には、黙秘というよりは言葉が出てこない様子だった。
それが夫の性格なのだろうと思うが、こういう場面では理解はできても受け入れがたい。
仕事の集まりがあったので、夫は再び出かけ、結局話は夕方までお預けに。

その後がどうにもできなくなった。
自分の気持ちのもって行き場がない。
降りすぎた雪のように、除雪不可能なもやもや感。
どこからどう手を付ければ心が整理されるのか、糸口さえみつからなかった。
おなかがグーッと鳴っても、この私が食事を作る気力もなかった。
身体と心がばらばらになっていく感覚とはこういうものなのか・・・

夕方帰宅した夫は、私にかける言葉すらもてず、身の置き場に困っていた。
あるのはただ、恐ろしい沈黙。
やはりケンカになどならない。
何を言っても言葉が返ってこないとわかっていると、黙るしかない。

激情派の私だけど、夫の前ではヒステリーを起こすことすらできないのだ。
感情は、押さえ込めば押さえ込むほど、心の中で大暴れする。
謝って欲しい、慰めて欲しい、かまって欲しい、と、次から次へ押し寄せてきて、結局自分がどうして欲しいのかが余計にわからなくなってくるのだ。
どう見ても夫はわざと黙秘しているのではなく、言葉を失っているだけ。

何を言っても黙っている。
それが、私をさらにキレさせる。
壁に向かって話しているかのごとく、何も言葉が返ってこないと、自分の言っていることすらわからなくなってくる。
もう限界だ、と離婚を切り出しても、沈黙。
これを、私は生き地獄と呼んでいる。

自分が全く相手にされていないという喪失感は、私にはとてもじゃないが耐えられる代物ではない。
私の性格は単純なのだ、初期段階で機嫌をとられてしまえばあっさりと納得してしまうのに、夫にはそれがわからない。
そういうところが、一言で言えば、ムカつく。

何を言っても黙っている夫が、追いかけてくれるはずなどないとわかるから、ハッタリの家出もできない。
ケンカを売っても買ってくれないから、在庫はどんどん増えていく。
私は、どうすればいいのよ!
最後に私の心を占めたのはこの感情だった。
もう、やめようと思った。

私の気持ちの受け止め方を、夫はわからないのだ。
悪意からではなく、本当にわからないのだ。
ということがわかった。

恐ろしい沈黙を続けていても、何も得るものはない。
冷静になれば、無理矢理離婚したって、得することなどひとつもない。
何より、二度目の過ちは自分で自分を許せなくなる。
ならば、とりあえず日常を取り戻そうと歩み寄った。

許す努力をした。
ケンカしたわけではないから、仲直りでもない、微妙な結末。
納得はできないけど、違う方向に自分を持って行くしかないと考えた。
実際、離婚するには生活が成り立たねばできない。
今はまだ、その時期ではないのだろうと考えた。

私は、自分が島で死ぬイメージがまるで湧いてこない。
おそらく、深層心理のどこかでは、ここが最期の地ではないと感じているのだろう。
夫とこのまま暮らすにしても、せめて実家の親兄弟ともう少し距離を置いてくれれば、まだなんとかなる。
でもそれは、ここで暮らす以上、一生つきまとう問題なのだ。
まして血の縁は切って切れるものではない。
今まで夫には『島を出る』という選択肢は存在していなかった。

だけどそもそも、私までが一緒になってここで一生懸命土台を作ろうと努力していたことそのものが、間違いだったのかもしれない。
だからいつまでたってもここでは、心を許せる人と出会えないのではないか。
そう思った。
島で暮らす大前提があるからこそ、ストレスがたまるのなら、それを撤去すればいい。

夫は私を束縛しない。
何でもやりたいことをやらせてくれる。
おかしな事件さえ起こらなければ、いたって平和的な人物なのだ。
いいやつすぎてケンカもできないだけ。

自分の道を自分で開拓しよう。
こんな見知らぬ離島でもなんとか生きてくることはできた。
おそらくよそならもっと楽だろう。
他の地で仕事を確立できさえすれば、道は開ける。

今までだって、私はずっとそうして生きてきた。
ぐずるくせに、男に寄りかかって生きるタイプではない。
夫が本心でどう思ってるのか、私には今もわからないけど、とにかくもうないものねだりをやめよう。
私がくれない族のかまってちゃんでいては、夫婦生活は成り立たない。
得るもののない事件だと思ったけれど、結果的には私の中に違うアンテナが一本たった。
それだけでも充分なのかもしれない。
勝負はこれからだけど。

まさに神の声。
『悪いところより、いいところを見なさい』

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