続・隗より始めよ

利尻島より発信中

海の神様の采配

time 2014/07/26

一週間も旗が上がらないということがどれだけやばいか。
今日、島内の別の漁場でガンゼの旗が上がったが、ものすごい高値がついた。
どこもかしこも売り切れ状態なので、加工場や卸売の人たちは欲しくてたまらないのだろう。
どう安く見積もっても、生での出荷の場合、末端価格は1㎏あたり4万円を超えるのではないだろうか。
おそろしい事態になってきた。

うちの縄張りの漁場は、相変わらずしばらくダメそうだ。
先週、旅の途中で寄ってくれたお客さんから注文を受けた。
ポンと2万円置いて、これで買えるだけのウニを送って欲しいと。

しかしながら旗が上がらず困り果て、返金させていただこうかと連絡をとったら、『お金なんて返されても困る!どうしてもウニが欲しいので、獲れるまで待つから送ってください』とのこと。
よくよく理由を聞けば、行きつけのワインバーでの仲間の集まりに、世界一のウニを持ってくると自慢してしまったため、今さら後には引けないということだった。

なるほど、そういう用途もあるのか。
これぞ希少価値のなせる技。
いつでもどこでも買えるものならば、こうはいかない。

ましてや今年は例年にない不漁、こんな時に手に入れるからこそ自慢できるのだろう。
ワインバーなんて言ったら、さぞかし味にうるさい人たちが集まるところだと推測する。
そこでの自慢をするために、わざわざこんな離島までやってきたのかと思うと、畏れ多いよ。
漁師だって組合に売るよりも、本当にウニ好きな人に食べてもらえるのは嬉しいのだ。
ぜひお届けしたいのに、何もできないもどかしさ。
今夜もまた、無情にも冷たい雨が降り続く・・・

もう、7月も最後の週になってしまう。
焦る気持ちもあるけれど、知り合いの漁師のやけに納得できる台詞が耳に残っている。

『心配すんな、最後にはうまくいくようになってるから』

海と対話をしてきた人の言葉には、何とも言えない説得力があるんだよね。
どうすることもできないことってのは、裏を返せばどうにかなるようになっているのかもしれない。

全ては、海の神様の采配なのだ。
自分の無力さを思い知ったり、生かされているのだと感じたり、という体験は、漁業に関わって初めて腑に落ちた感覚だ。
不思議だけれど、きっとシーズンの最後には笑っていると信じて。
だって、そんな不漁の最中でも、いろいろな贈り物をいただきながら、私はたっぷりおいしいものを食べている。
本当は困っていないのだ(笑)
感謝☆

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