続・隗より始めよ

利尻島より発信中

仕事納め

time 2014/03/15

3月15日。
今日が夫の仕事納めになった。
今年は雪が少なく、除雪の日にちも延びることなく無事終了。
ここからは、ゴールデンウイーク明けまで休みに突入。
季節労働者扱いで働いているため、この時期土方たちはいったん会社を辞めさせられ、皆同じように失業保険をもらいながら休みに入る。
俗に言う『年度の終わり』で、公共事業がなくなり、仕事が減る時期だからなのだろうと推測している。

これが島の肉体労働者にとっては、平均的なワーキングスタイル。
こういうところだけ欧米並みのロンバケだな。
ずっと都会にいたら、一生見られない光景だったかもしれない。
昔は出稼ぎに行かなければ仕事がなかったらしい。
今でも出稼ぎに行く人はいるけれど、ごく少数。
島の収入源である観光も、うにや昆布の漁も、6月〜9月のたった三ヶ月。
生活は、この短い夏でいかに稼ぐかにかかっている。
その全ては博打的な要素に左右され、努力でなんとかなる世界ではない。

カッコつけてドラッカー風に言えば、第一次産業においての顧客は人ではなく自然。
誰に売るかを考えるその前に、自然の恵みを得られなければ商売が成り立たない。
お金で仕入れられるものや『サービス』を売るのとは訳が違うのだと、この島に来て初めての感覚をもったことを思い出す。
漁師がどんなに腕が良くても、どんなに頑張っても、いないものは獲れないし、海が荒れれば漁そのものができない。
自然を受け入れる、ってのは、口で言うよりも遙かに難しい。

目標を立てたって、自然の前には無力だ。
一昔前までは、この島もニシンで栄えていたが、今となってはそのニシンは乱獲でいなくなってしまった。
うにや昆布だって、この先の見通しは決して明るくはない。
漁師の生活は毎年、毎日が予測不能。

たとえば夫が出ている巻き網漁。
4年前は大当たりの大漁続きで、二ヶ月弱の漁で手取りが300万。
今回申告している去年の手取りは、16万だ。
努力がそのまま収入に直結する世界で生きてきた私にとって、これは青天の霹靂。

何かをしようとすればするほどこの島で浮いてしまうのは、そもそも島の持つパワーなのか?
与えられたものの中で生きられるようにできているのか?
どんなにやり手になっても、どんないい女になっても、ここでは収入が増えるわけではない。
人間という生き物の小ささを思い知る。
最後の最後には祈ることしかできない世界。
そんなところで暮らしているのだな、と、申告書を作って初めてそう思えた。

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